2015年 06月 14日
香箱をつくる
雑誌「ユリイカ」が猫を特集した号(2010年11月号)に、
芥川龍之介の短編が収められている。
その中に、「猫が香箱を作っている」という文章が出てくるのだけど、
すると猫は何時の間にか、棚の擂鉢や鉄鍋の間に、ちゃんと香箱をつくってゐた。
(芥川龍之介「お富の貞操」より)
はて、香箱を作るってなんだろうか。
猫が何か作るのか。
【香箱】香を入れる箱。香合(コウゴウ)。
「―をつくる〔=寒さなどのためにネコがからだを丸くして寝る形容〕」
(新明解国語辞典第五版より)
なるほど。ちなみに、インターネットでさらに調べたところ、
上の写真は「香箱をつくる」とは呼ばないようです。
香箱をつくるとは下の写真のような姿勢を指すようで。
ウィキペディアによれば、
ネコが背を丸めてつくばっている様子が、香箱(香木・薫香料を収納する蓋付きの箱)の形を連想させるため、メタファーとして、「香箱を作る」と呼ばれるようになったとされる。
のだそうです。
「女と猫は呼ばないときにやってくる」(ボードレール)