2014年 06月 29日
バンコクのベジタリアンレストラン
タイの首都バンコク。
しばらく滞在していたゲストハウスの近くにあったベジレストラン´ethos´。
この日注文したのは、バナナのパンケーキとチャイと昆布茶。
昆布茶はメニューに「natural kombucha」と書いてある。
確かに昆布茶でした(酸味強し)。
心配していた通り、日本は初戦がすべてだった。
自分たちのサッカーやスタイルにこだわりすぎていた。
頭で考えて、チームのために必死に戦うという一番大事なことを忘れていた。
1次リーグは3試合しかない。
初戦を落として取り返せるほど、日本はまだ成熟していない。
3試合すべてに力を尽くして、初めて1次リーグを勝ち上がれるチームだ。
1試合でも力を出し切れなければ厳しい。
第3戦は頑張っていたがもう遅かった。
この結果は本当の力を表していないと思う。
初戦さえうまく乗り切っていれば、上にいく可能性を持っていた。
攻撃のタレントがこれだけそろえば、リスクを負う価値はある。
ならば、なおさら全員で前からボールにプレッシャーをかけて守るという
ベースの部分を忘れてはいけなかった。
個の力で劣り、ミスが多くても、何とか勝負しないといけない。
力がなかったと受けとめることは必要だが、
球際が弱かったといまさら言ってほしくはない。
勝つためにベストを尽くすことをほかのチームは当たり前にやっている。
日本はどうして球際の勝負より、自分たちのサッカーを貫くことにこだわったのか。
チームだけでなく、サッカー界全体が
「勝てる」と勘違いする空気を作ってしまっていたように思う。
大きな目標のために何をするのかを落とし込んでいかないといけないのに、
おろそかになっていた。
壮行会をしたり、代表発表をショー化したり。
地に足が着いていない印象だった。
大会全体を見ると、攻撃では、シンプルに縦をついてこぼれ球を拾い、
プレッシャーをかけて前でボールを奪って、
最後は際立った個の力でゴールを奪っている。
どのチームも守備の組織づくりが速くて、時間をかけたら崩せない。
その点、アジア勢はどこもストライカーがおらず、攻撃に苦労した。
じゃあ、日本はどうするのか。いまの戦い方を続けるしかないだろう。
取り組めることは指導者養成と選手育成しかない。
今回のW杯で気づいたことをそこに落とし込んでいく。
うまくいっていると立ち止まったらもう危なくなっている。
世界のサッカーはどんどん変化している。
イノベーションを繰り返し、変化を起こしていくことを恐れないことだ。
ベスト16の顔ぶれに驚きはない。
この先、勝ち上がるのは結局、優勝経験のあるチームになりそうだ。
(岡田武史・前日本代表監督)