2009年 02月 10日
借金を返す話
能登半島の先っぽで 『松尾栗園』 を営む松尾和広さんが、ひつじ屋に突然現われる。
数日休みをとり、『日本一美味しいスイカを作る夫婦』土肥農園の土肥さん夫婦の家に泊まりながら、
農業の勉強会に参加しているらしい。
松尾さんのことは、土肥さんが紹介してくれた。
輪島(石川県)の近くで新規就農し、栗農園を始めた男がいて、
すごく面白いヤツなんだよ、と。
土肥さん
で、昨年10月、焼き栗販売が始まった頃、松尾さんに会うために能登半島まで出かけた。
写真は、輪島朝市で焼き栗を実演販売する松尾さんです。
朝市が終ったあと、栗園近くの食堂で、昼ごはんをごちそうになった。
おいしい刺身を食べながら、いろいろな話を聞いた。
一年間漁船に乗り込み働いたこと。
その間、結局「船酔い」を克服できず、「漁業」をあきらめたこと。
肩代わりした借金を、ついに完済したこと。
栗農園を始めるとき、このままでは採算が取れないとわかっていたこと。
その後、さまざまな出会いと「奇蹟」から、経営が軌道に乗り始めたこと。
などなど。思わず涙ぐんでしまった感動的な話の数々。
借金を返す話、というのはいいですね。
本人はもちろん大変なわけですが、
そうしたタフな場面で、その人の「柄」のようなものがあらわれる気がします。
そして、松尾さんの、その「柄」があるからこそ、
おおぜいの人が手をさしのべてくれ、
奇蹟も起こったのだろうと、素直に思わせてくれる。
いやぁ、えらいなー、松尾さん。
農業を志す若者が、安曇野にも多いけれど、
彼らに共通するのは、気持ちがまっすぐで、
純粋な部分をたくさん持っているところだと思う。
ホント、「いいやつ」が多いんだよねー。
土肥さんもそうだし、松尾さんが今回寄った「安曇野ひのき農園」の桧原(ひはら)さん とか。
ぼくが知っているだけでも、数え始めるとどんどん名まえが出てくる。
来年また会いましょう、と約束して別れました。
松尾さん、こんど「彼女」紹介してねー。
【栗】 ひつじ屋店主、輪島行のようすはこちら。