めぐり逢わせのお弁当

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イラは夫(ラジーヴ)のために毎朝お弁当を作っている。
お弁当は、ムンバイ(インド)の弁当配送システムダッバーワーラーによって、
夫の勤める会社まで届けられる。
そして食べ終わって空になった弁当箱は、配達人の手により妻の元に戻ってくる。

ある日、イラが配達人に手渡したお弁当は、
どこでどう間違えたか(間違えて届けられる確率は600万分の1だそうだ)、
違う会社の、違う男の元に届けられる。

彼の名はサージャン。
妻を亡くした中年男。
勤続35年、来月には勤め先を退職することになっている。
「悠々自適の第二の人生」が彼を待つ。

お弁当がいつもと違うことにサージャンは驚き、戸惑う。
どうしてきょうはこんなに美味しいんだ。

なめるように平らげられた弁当箱はイラの元に戻される。
ふたを開けて驚くイラ。
夫はこんなにきれいに食べてくれた。

しかし、夕方帰宅した夫の言葉はそっけない。
それに「カリフラワーがウマかった」って何だ。
カリフラワーなんて入れなかったのに・・・。

イラは気づく、お弁当は別人のところに配達されたにちがいない、
その人が私の料理を気に入ってくれたのだ。

翌日、イラが作ったお弁当は、ふたたびサージャンの元に(間違って)届けられる。
ふたを開け、匂いをかぎ、サージャンはお弁当を口にする。
うん、おいしい。
ふと気づく。チャパティの下に紙切れが見える。

「残さず食べてくれてありがとう。あれは夫に作ったお弁当です。
空っぽだったので夫に褒められると思い、料理で愛が伝わると幸せな気分でした。
お礼にパニールをどうぞ。夫の好物です。イラ」

呆然とするサージャン。

ふたたびイラの元に戻った空の弁当箱。ふたを開けると手紙が入っている。
「イラへ 今日のは塩辛かった」それだけ。

でも次の日、イラは奮起した。
階上に住むおばさんにも相談して、いつも以上に力のはいったお弁当。
「イラへ 今日の塩加減は良かった」。

ふたりのあいだを行き来するお弁当とともに「文通」が始まる。
少しずつ親愛の情が深まっていく。


そうして、ある日。
イラからの手紙にはこう書かれていた。
「私たちは逢うべきだわ。『クーラーカフェ』を知ってる?
私の好きなキーマ・パオがおいしいって評判なの。
明日逢えないかしら。1時はどう? イラ」


翌日、サージャンは・・・



というお話の、映画めぐり逢わせのお弁当
こんなに良かった映画は何年ぶりだろう。









うれしい気持ちを誰かに伝えたくて、
お茶を飲みに寄ってくれた知り合いのO嬢(新聞記者)に、この映画がいかに面白かったかを話した。

興味を示してくれたことについては喜ばしいが、
タイトルはいつの間にか『ありあわせのお弁当』に変えられていた。











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by hitsujiya-azumino | 2017-01-23 13:57 | 映画好き | Comments(0)