2005年 06月 19日
碌山を知る
レンタサイクル&カフェ 安曇野旅の案内所 ひつじ屋
ひつじ屋のサイクリングマップで
荻原碌山と、彼の生きた安曇野を知るための
おすすめコースを紹介しようということになりました。
『工房らっくり』野中由紀子さんからいただいたアイデアです。
「最初にテラシマさんで花を買うでしょ。
それを持って、碌山のお墓に行くの。
そしてここからここを通って、こことここに寄って
最後にひつじ屋カフェで中村屋の月餅(げっぺい)を食べるのよ。
どお?」
と、具体的かつ詳細なアドバイスをいただきました。
そんなこんながありまして、
知り合いの郷土史研究家、永沼孝致(こうち)さんが案内してくださり
お話を伺いながら、碌山ゆかりの地を回りました。
まずは駅前通りの花屋さん(テラシマさん)で花を買ってから
荻原碌山のお墓と生家(昭和45年消失のため碑が建っている)へ。
そして、近くに残る相馬愛蔵の生家や、
研成義塾創立に尽くした臼井喜代(うすいきよ)の墓、
井口喜源冶(いぐちきげんじ)記念館、最後に碌山美術館へ。
下の写真は相馬愛蔵の生家にて。
現当主の相馬安兵衛さん(写真左)が迎えてくださり
写真や手紙、新聞記事などを交え
たくさんお話をしていただきました。
相馬さん、そして永沼さん(写真右)、
きょうはありがとうございました。
ところで、臼井喜代は男性ですが、
井口喜源冶記念館に飾られた写真を見て
安曇野のペンション「シャロムヒュッテ」のオーナー
臼井健二さんによく似ているなぁと思いました。
もしかしてご先祖様かしら。
こんど臼井さんに会ったら聞いてみよう。
それから、最後に入った碌山美術館。
ここですばらしい買い物をしました。
フォークシンガー、三浦久さんのCD「碌山」です。
三浦さんは、ボブ・ディランやレナード・コーエン、
ブルース・スプリングスティーンの訳詩でも知られる
長野県辰野町在住のフォークシンガー。
シンガーとしての活動、訳詩やライナーノートの仕事、
さらに、こどものころを過ごした家で
ライブハウス「オーリアッド(Oread)」を経営し、
信州大学の非常勤講師として
アメリカ大衆文化の講義も持っておられるそうです。
訳詩や著書(『追憶の60年代カリフォルニア』)を通して
三浦さんのことは知っていたのですが
歌を聴くのは初めてでした。
「碌山」の中に収められている「次郎」という曲が
特に気に入りました。
井口喜源冶の詩に、三浦さんが曲をつけたもの。
美しいメロディー、三浦さんの声、喜源冶の詩、
胸を打ちます。すばらしい。
水豊かなる万水(よろずい)の
ほとりにわれは生まれけり
河辺の柳うちけぶり
すみれの匂う春の朝
雲雀の声に夢さめて
雀の巣をばあさりつつ
水鶏(くいな)の雛のあとを追い
世のさま知らで過ごしけり
(『次郎』1番の歌詞)
さて、というわけで、きょうの成果をもとに
サイクリングマップや、店内のインフォメーションコーナーで
荻原碌山のこと、彼に影響を与えた人たち
彼が生きた時代の安曇野など、
いろいろ紹介していこうと考えています。