すこしずつ秋は深まり

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台風の影響で雨がたくさん降りました。
雨が降るごとに気温が下がり、秋が深まってゆくように感じます。

自宅ではすでにコタツを据え、
ここで本を読んだり、ウトウトしたり、居眠りしたり、熟睡したりしています。
昨夜は今シーズン初めての「鍋」。
もうそういう季節になりました。

これから安曇野を旅される方は、温かい服を用意していらしてくださいね。
日中はレンタサイクルもまだまだいけますが、朝晩はずいぶん冷え込みますので。


























(悩みのるつぼ)やりたいことがわかりません
●相談者 女性 20代

小さい頃から私には夢がありませんでした。これだ!と思えるものに出あっていません。

高校の時、貧困や紛争で苦しむ人を助けたいと思い、国連などで働くことを考えました。しかし、今も世界のどこかで終わりのない争いがあり、どうすることもできないのではないかと無力感と絶望を感じ、普通に生きることを選びました。

大学で社会科学系の勉強をし、長期留学もしました。やりたいことを考え続けてはいたもののわかりません。就職活動の際も勤務条件などで選び、肝心のやりたいことが言えず、企業では採用されませんでした。

人のためになっていることが目に見えてわかる病院に事務として採用され、現在4年目になります。給料も良く、人間関係も良好で、趣味を楽しむ時間もあります。しかし、仕事が単調でつまらなすぎてつらいこと、有給が取れないことが不満で、また先輩方を尊敬したりうらやましいと思ったりしたことがありません。

これも人生の修行なのかもしれませんが、毎日時間を無駄にしているようです。転職も考えて数社面接したものの、途中で辞退してしまいました。一大決心し、通訳を目指そうかと考えているのですが、親は話が支離滅裂だと言います。

美輪さん、私のような人間はどのように生きていけばよいですか? 一喝お願い致します。


○回答者 歌手・俳優 美輪明宏 感謝しない病気を治しなさい

やっかいな人ですね。平和ぼけです。

相談者は平穏な暮らしを送って、居心地がよい職場で、嫌な上司もいない。でも何年か勤めて飽きてしまっている。

反対の立場にいる方に思いをはせてください。なかなか就職できない人、経済的に苦境にある人、人間関係に苦しんでいる人……。そういう人が世の中にはいっぱいいます。「何を寝ぼけたことを言っているんだ」と相談者はおしかりを受けると思います。

これは気をつけなければいけない、やっかいな病気です。何事にも感謝しないという病気なのです。

寒さをしのぐだけの着物があって、毎日何かしら食べるものがあって、雨露をしのぐ住居がある。お給料もそこそこもらって、健康であったら――。ありがたずくめじゃないですか。感謝の気持ちがあれば、幸せな気持ちで満たされます。

不平不満を探す病気でもあります。若い人ばかりでなく、中年でも増えている病気です。

楽な仕事場に行かず、災害救助のボランティアに従事してはいかがですか。どん底の状態に身を置いてみて、自分が異常だということに気が付かないと、病気は永久に治りません。

水断ち、穀(ごく)断ちといった修行を体験してみるのもいいでしょう。戒律で自由な私生活を禁じられる身になってみると、当たり前だった一杯の水のありがたさが身に染みるでしょう。裸足で寒さに耐えれば、靴下一足に感謝するようになります。

食料が過剰なほどあって、日本ほど十分に食べていけるシステムが整った国はありません。お料理ができなくても、コンビニでチンするだけでいい。

でも正負の法則で、便利で豊かになった半面、人は脆弱(ぜいじゃく)になり、堕落していきます。人にうらやましがられる状態であることに気が付かない。相談者は生きがいが見つからないそうですが、病院での仕事が人の役に立っていることに、実は神経が届いていないと思います。

たとえ世界中の富を手に入れて贅沢三昧(ぜいたくざんまい)をしても、感謝の気持ちがなければいつまでも欲求不満に陥ります。

この際、自分がなんて傲慢(ごうまん)だったんだろうと、しっかり反省しなければなりません。不満をずっとため込んでいると、そういう容貌(ようぼう)になっていきますよ。不満の塊のような顔をした人が、よくいるじゃないですか。

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(朝日新聞2014年10月13日号より)


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by hitsujiya-azumino | 2014-10-14 16:51 | ひつじ屋日記 | Comments(0)