チェンマイの映画



映画「プール」の舞台は、タイ北部の町チェンマイ。
この映画から漂ってくる、ゆるく、しずかな、熱い風。
タイ語の優しい響き。

この町を今年の冬初めて訪れた。
「プール」で観るチェンマイは、自分が見た町とはちょっと違うようす。
でも吹いている風は同じ、と感じる。




若い欧米人カップルが露店の店先でTシャツを物色している。
日本人らしき女の子たちがアクセサリー屋の店先にしゃがみこみ、
ブレスレットやネックレスを選んでいる。
中国人らしき団体客が、
象の置物を取り囲んで値段交渉に唾を飛ばしている。
巻きスカートをはいた中年女が、
屋台のバットに入った惣菜を指さして、
ビニールに詰めてもらっている。
渋谷あたりにいても不思議はないような格好の地元の女の子が、
腕を組んで歩いている。
スパイスと油とタイ米のにおいが、町を覆うように漂っている。
(角田光代「紙の月」より)

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by hitsujiya-azumino | 2013-07-15 21:55 | ひつじ屋日記 | Comments(0)